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今朝、データ放送で気象情報とニュースを確認するためにTVをつけると、NHKでひきこもり特集のPR番組をやっていた。日本全体で推計100万人のひきこもりが居るのだという。
その100万人の中に、私も入っているのかもしれない。
深刻な8050問題。
私も母は90歳だが、私の場合は、ひきこもって母の庇護下になったわけではなく、母の認知症により介護離職を余儀なくされ、介護以外の社会との接点を失ってしまった。
一度失ってしまった接点を再び取り戻すのは難しい。ひきこもりであっても無くても。
もし社会支援が十分に機能していれば、私は離職する必要は無かったと思う。けれど、日本の介護保険制度は、同居家族がいる場合、補助的な役割しか担ってもらえない。だから、私のように他に家族が居なければ離職せざるをえなくなる。同居家族が居る場合、ホームヘルプサービスも利用できないと言われた。
私は離職前の仕事の関係で介護やそれにかかわる制度の知識が多少はあったけれど、だからと言って、自分の親の介護を一人で担うというのは、並大抵のことではない。
デイケアに通うとしても、送り出すまでには大変な見守りや支援が必要であり、送り出した後に全ての用事や自身の休養を済ませなければならない。送迎されて帰宅する時間には自宅で待機していないと、見守りが必要な母を一人ぼっちにしてしまうことになる。
デイケアは時間の融通が全く利かない。6時間の間にできることは限られている。
6時間もあれば何でもできるでしょ?
6時間は自由時間ではない。母が居る時には出来ない全てのことをしなければならない。洗濯、掃除、買い物、調理の下準備、庭の手入れ、睡眠不足を補う昼寝……。
だから、自分の時間は一切持てなくなる。
2等チョコレート半年分という懸賞に当選し、喜んだのも束の間、不本意にも1等の体験チケット。都市部在住なら自宅に来てくれる体験もあったが、私の住む地域は陸の孤島。電車や車で数時間かけて出かける体験しか選べなかった。他人に譲渡は出来ないので、全くの無駄になった。
母の体調が悪いと、デイケアの利用は断られる。朝送り出しても、体調が悪くなったと電話があれば迎えに行かなければならない。
ショートステイの利用は、1か月前からの予約制で、緊急時には全く役に立たない。予約していても、下痢があるだけで利用を断られる。
それに、母は、ショートステイを嫌がった。寂しかったらしかった。そのことを伝えると、一度はとても母を気遣って声掛けや働きかけをしてくれ、その日は母も帰宅時に楽しかったと話してくれたが、その一度だけで、次には暗い顔で帰宅した。
ショートステイの施設に迎えに行った際、とても寂しそうな不安げな表情を浮かべていた。
進行した認知症の母には、私に用事があっても事情を理解することは出来ない。そんな母は、なぜ見知らぬ場所で見知らぬ人に囲まれて丸1日以上を過ごさなければいけないのか、罰のように感じられたに違いなかった。
介護は辛くない、心がけ次第で楽しく介護できる、そんな世間の風潮が、私は嫌だ。
親の介護なんて、当たり前のことでしょ?
今は昔の大家族とは違う。加えて、近隣の関りも薄い。
認知症が進行した親を子供が一人で介護することは、通常の社会支援があっても、そんなに甘くはない。しかも、十分な社会支援が受けられるかどうかは、地域やケアマネージャーにもよる。苦しんでいる介護者家族が、声を上げにくくなるような事態にしてはならない。
母の体調が悪化して入院するしかなくなり、その後は病院と姉の勧めで母は介護老人保健施設に入ったので、私の介護生活は、週に数回の洗濯物処理と面会、定期的に行われるカンファレンスのみとなった。
けれど、私は自分の体調不良に目をつぶって介護していたためか、次々に病気に襲われた。
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